体力テストの歴史②
〜体力テストの変化〜
今この記事をご覧になっているあなたは学生時代「スポーツテスト」と「新体力テスト」のどちらを学校で受けましたか?
「スポーツテスト」と「新体力テスト」
この2つの違いを簡単にいえば、「新体力テスト」は「スポーツテスト」のアップデート版と言えるでしょう。国民の体力・運動能力の現状把握するための「体力・運動能力調査」のために、1964年〜1998(平成10)年までは「スポーツテスト」が、1999(平成11)年以降は「新体力テスト」が利用されていました。
実施項目の違い
「スポーツテスト」と「新体力テスト」のテスト項目を比較してみましょう。下の図から、「新体力テスト」は「スポーツテスト」よりテスト項目が減ったことや、対象年齢の増幅や細分化されたことがわかります。
(文部科学省ホームページ, 新体力テスト実施要項, https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/stamina/03040901.htm
文部科学省「新体力テスト~有意義な活用のために~」p.12より作成)
体力テストが変化した理由
なぜ、体力テストの項目が変化したのでしょうか。その理由は、いくつかあります。
- スポーツ医・科学の日本人の体格が変化により、従来のテスト項目では妥当性に欠けるため
- 実施の安全性を確保するため
- 行いやすさを重視し、データ獲得の継続性を担保するため
- 日本人の平均寿命の伸びや高齢化の進展に対応するため
減少種目とその理由
「体力テスト」から「新体力テスト」になり、 無くなってしまった種目があります。
その理由について、みてみましょう。
踏み台昇降運動
- 児童生徒の身長が平均的に大きくなり、踏み台の高さが不適になった
- 測定時間が長い
- 記録の誤差発生
背筋力
- 実施目的である背筋の測定が不十分
- 姿勢や動作に怪我のリスクがある
伏臥上体そらし
- 測定目的である柔軟性が背筋力に左右される
- 実施姿勢や動作に怪我のリスクがある
斜め懸垂腕屈伸
- 難易度が高く、誤差が大きい
立位体前屈
- 転倒事故、腰痛などのリスクが高い
いかがでしょうか、「スポーツテスト」と「新体力テスト」の違いはわかりましたか?
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<参考文献>
文部科学省「子どもの体力向上のための取組ハンドブック」, 2012年,
https://www.mext.go.jp/prev_sports/comp/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2012/07/18/1321174_04.pdf
文部科学省「新体力テスト~有意義な活用のために~」,2000年
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