体力テストデジタル集計アプリ

小中高での実践を通して成果検証

帝京大学小学校 / 東京学芸大学附属世田谷中学校 / 松戸市立松戸高等学校

小学校による実践

実施のねらい

① 実施方法の効率化を図る

→ 教師がその場所で説明しなくても、6年生がソフトを活用して上手に教えることができ、実施時間の短縮が図られた。

② アプリを通して、児童同士が関わりを深めたり、めあてを明確化したりして、思考・判断する場とする

→「話をしないで静かに整列して待つ」という指導から、「分かりやすく説明する」という指示に変わり、思考・判断の場面が増えた。

→ 平均と比べる以外の活動に取り組む子どもが増えた。

③ 記録を活用する

→ 今後の「体つくり運動」への活用方法を考える必要がある。

中学校による実践

研究の目的

新体力テストデジタル集計アプリ(ALPHA)の活用がもたらす、中学生の「体つくり運動」と「保健」での学びの深まりに関する有効性を検証すること。

今回の実践で育みたい力

【体つくり運動】

自分に適した健康的な運動習慣を身につけるための力

【保健分野】

(ヘルスリテラシー)健康に関する情報を適切に扱うことで自他の健康に結びつくように、よりよい意志決定を行う力

【実践1】

・教員からの説明の割愛・測定時間の軽減・映像を見ながら測定する生徒の姿・測定直後、ALPHAのコメント、フィードバックから体力の傾向を共有する様子

→成果・運用面やマネジメントでの効率化・生徒たちの主体性の発揮

【実践2】

・体育理論や保健の知識と関連づけて、自分の実情に合った課題に取り組めた・運動することに苦手意識のある生徒も意欲的に取り組めた

→成果・新体力テスト結果のデータや経験、これまでの知識を紐づけて、運動を継続的に行うための力が向上した

ALPHA活用の効果

  • 新体力テストの結果や体力に対する生徒たちの理解と評価の深まり
  • 生徒たちのヘルスリテラシーが向上した

高校による実践

ALPHA活用のねらい

  • 予め測定開始前にALPHAに自身の予想記録を入力してから測定を開始
  • 履歴機能の活用
  • 測定記録のペーパーレス化、効率化

実践事例:松戸市立松戸高等学校の取り組み(2年生)

  • 新体力テストの記録の入力にALPHAを活用(予め測定開始前に自身の予想記録を入力してから測定を開始。)
  • 体育理論「運動やスポーツの技能と体力の関係」の授業では校務支援ツールを活用したワークシートを作成し、授業を実践した。

ALPHAの導入がもたらすもの

即時的な振り返りによる効果

  • 子どもの思考判断への働きかけ・体力に対する関心と理解の高まり

データ管理の簡易化

  • 新体力テストの結果の汎用的な活用・体力の経年変化の追跡

<体⼒テスト結果の即時的なフィードバック>

  • 体⼒を理解するための布⽯
  • ⾃分の体⼒に対する興味、関⼼
  • 必要感の持った課題の把握
  • 健康情報との出会い(PCを利活⽤することによる)副産物
  • ⼼拍数やRPEとの関連性から、体への意識を⾼める
  • ⾃分のみつけた運動情報の実践